音の発音について(クリアな発音をするためには)
発音について
こんばんは。ちょっと間が空いてしまいましたが今回は教本の1ページとして、発音について書いてみたいと思います。
皆さんは発音についてどの程度考えているでしょうか?
その音一つを出すときに、どのくらい意識を集中させているか?
すごく大切なことだと思います。
以前どこかで話したように、録音をして自分の音を聞く習慣があると発音についてシビアに考えているんじゃないかなと思います。
発音ってその楽器の音色を決めることなのでとても大切なことです。
トロンボーンの場合、様々なジャンルにおいてトランペットの隣に来ることが多いのではっきりとした発音、立ち上がりが求められることが多いです。
波形としてみた時の、基本となる発音の理想の形はこうです。
理想ではありますが実際にこのように発音はできません。
どうがんばったとしてもこうなります。
そうすると、この発音の時にいかに息の初速とタンギングのバランスをとって理想に近づけるかが課題となります。
この、息の入れ始めから音が発音としてきちんと出るまでの時間がかかればかかるほど後押しという現象になっていきます。
僕の経験上、大きく分けて3つのポイントをクリアすることでこの発音についての問題はかなり改善できると思っています。3つのポイントは以下の通りです。
音を出すときには息が必要ですね。ここではその息を入れる瞬間の話をします。
- 息の初速
- 舌の動き
- あごの開閉
息の初速
音を出すときには息が必要ですね。ここではその息を入れる瞬間の話をします。
息の入れ始めが上の図のようにクレッシェンドのような形だと、どうしても音ははっきり出てくれません。それはフォルテでもピアノであってもです。
息を入れる瞬間から、音が一番良く鳴る息のスピードを出す必要があります。
発音が上手くいかない人の多くは、この息の入れ始めのスピードが遅いのに発音をはっきりしようとタンギングばかり強くしがちです。そうすると発音は汚いばかりか、息が入っていないので音自体が鳴っていない状態で良いとは言えません。舌に意識が集中してるので自然と身体も力んでいるかもしれませんね。改善方法
・まずは意識の問題から。音を出すときに「音を外したら嫌だな、、」など思ってそーっと音を出そうとしてませんか?少し息を入れて、その音が出そうだったらそれから本腰入れて息を入れている状態。
もしそういう状態であったら先ずはその意識をやめてみましょう。音は外しても構いません、コンクールで音を外したところで点数には大して影響はありませんし、実際にプロでも音は外します。怖がって後だしじゃんけんのようにするのが一番よくない。
まずは音を外してもいいから思いっきり初めから息を入れるように意識してみましょう。
もしそういう状態であったら先ずはその意識をやめてみましょう。音は外しても構いません、コンクールで音を外したところで点数には大して影響はありませんし、実際にプロでも音は外します。怖がって後だしじゃんけんのようにするのが一番よくない。
まずは音を外してもいいから思いっきり初めから息を入れるように意識してみましょう。
・次に実技の問題。息を出すときにおなかから息を出すって言葉、聞いたことあると思います。それを少し意識しましょう。初速が遅い人の多くは胸のあたりから息を絞り出すようにして息をだしてしまっています。なのでスピードもあがらないし、肩にばっかり力が入ります。
腹筋の瞬発力(漫画の吹き出しで「ハッ!!!!」みたいな)を使って、肺に入った空気を下から勢いよく押し出すイメージです。おへそのあたりに手を置いてみるとわかりやすいかもしれません。
もしおなかの動きがわかりにくかったら、仰向けに寝ころんだ状態で息をしてみるとわかると思います。息を吸って膨らんだおなかの息を腹筋を使って「フッ!!!!!!」みたいに吹く感じです。そうすると、息を吐く瞬間から遅くならずに出すことができると思います。
もちろん、そんな勢いで楽器を吹くわけではないですw音量によってスピードも使う量も違うのでおなかの動き方は変わります。大事なのは入れ始めの息のスピードがクレッシェンドのようにならず、はじめからその音に必要なスピードであることです。
どの音量であってもおなかのあたりの動きはとても大事になってきますのでピアノであってもおなかを使うことを忘れないようにしてください。
息の初速をしっかりとしたスピードにすることは、タンギングよりも大事なことなのでまずはそこからクリアしていきましょうね。
腹筋の瞬発力(漫画の吹き出しで「ハッ!!!!」みたいな)を使って、肺に入った空気を下から勢いよく押し出すイメージです。おへそのあたりに手を置いてみるとわかりやすいかもしれません。
もしおなかの動きがわかりにくかったら、仰向けに寝ころんだ状態で息をしてみるとわかると思います。息を吸って膨らんだおなかの息を腹筋を使って「フッ!!!!!!」みたいに吹く感じです。そうすると、息を吐く瞬間から遅くならずに出すことができると思います。
もちろん、そんな勢いで楽器を吹くわけではないですw音量によってスピードも使う量も違うのでおなかの動き方は変わります。大事なのは入れ始めの息のスピードがクレッシェンドのようにならず、はじめからその音に必要なスピードであることです。
どの音量であってもおなかのあたりの動きはとても大事になってきますのでピアノであってもおなかを使うことを忘れないようにしてください。
息の初速をしっかりとしたスピードにすることは、タンギングよりも大事なことなのでまずはそこからクリアしていきましょうね。
舌の動き
発音の時の舌の動き(タンギング)はとても大事です。タンギングってダブルタンギングだとかシングルタンギングを速くとかそういうことに意識が行きがちですが、ここではそれよりもっと根本的な、発音そのものの舌の動きについてです。
タンギングの時にイメージとして「Ta(タ)」って思っている人多いと思いますが、ここではちょっと別のアプローチをしてみたいと思います。
「Tu(トゥ)」又は「Du(ドゥ)」のイメージにしてみましょう。
実験をしてみましょうか。ティッシュを一枚用意してください。
口元にティッシュをぶら下げて、「Ta」って発音してみてください。次に「Tu」もしくは「Du」で発音してみてください。どっちのほうがティッシュが揺れましたか?
やり方が間違ってなければ「Tu」「Du」のほうが圧倒的に揺れると思います。
「Ta」だと、発音した瞬間に息が散ってしまうのと、舌が縦に動くことによって息のブレが大きくなります(後述するあごの開閉に関わってきます)。
「Tu」「Do」では、舌の動きは縦というよりは前後に近くなり、舌を突く・放すという動作になるので息のブレは少なくなります。また、息が前に集中して出ます。これは芯のある音を出すためにもとても大事なことです。
イメージをちょっと変えるだけですぐに音が変わりますので是非試してみてください。
「Tu(トゥ)」又は「Du(ドゥ)」のイメージにしてみましょう。
実験をしてみましょうか。ティッシュを一枚用意してください。
口元にティッシュをぶら下げて、「Ta」って発音してみてください。次に「Tu」もしくは「Du」で発音してみてください。どっちのほうがティッシュが揺れましたか?
やり方が間違ってなければ「Tu」「Du」のほうが圧倒的に揺れると思います。
「Ta」だと、発音した瞬間に息が散ってしまうのと、舌が縦に動くことによって息のブレが大きくなります(後述するあごの開閉に関わってきます)。
「Tu」「Do」では、舌の動きは縦というよりは前後に近くなり、舌を突く・放すという動作になるので息のブレは少なくなります。また、息が前に集中して出ます。これは芯のある音を出すためにもとても大事なことです。
イメージをちょっと変えるだけですぐに音が変わりますので是非試してみてください。
あごの開閉
いきなりあごのことについて言われてもなんのこっちゃとなると思いますが、僕自身の経験上このあごの開閉についてはとても大事なことなので、後押しなどに悩んでる方はぜひ参考にしてください。
いきなりですが、鏡で自分自身の口元を映して見てください。
楽器を構えて、ブレスを取って、発音をするまでの間にあご動いてませんか?
もっと細かく言えば、発音するタイミングであごが閉じてませんか?
そして、息の入れ始めであごを開き始めてタンギングをした後、その出した音のあごの開き具合になっていませんか?
本来、「アー」で良いところ「ヴワァ」っとなっているのかもしれません。これが原因で発音が鈍る人がいます。僕自身もそうでした。
こういう形になっていると、いくら息や舌を改善したところで良くはなりません。
息が入ろうとする時に、息の通る道が狭いところから広くなるので確実に後押しになります。タンギングを強くしたところで音が割れるだけです。
改善するためには、良く自分の口元を鏡などで確認することです。そして、発音の際に動かないようにすること。
具体的には、ブレスをする段階であごの位置はほぼ固定しておきます。歯と歯の開き具合が一定になるようにします。(ブレスはマウスピースから口をあまり離さず口の横から吸います。)
発音する際にあごが開かないようにするコツは、【舌の動き】で説明した「Tu」「Du」のイメージにすることです。「Ta」だと、やってもらうとわかると思いますが、下あごが下がります。そうするとどうしても通り道が広がるために音も散り、後押しの原因になります。
はじめのうちは、タンギングがし辛くなかなか身につかないかもしれません。かく言う僕自身もそれを改善するのに約1年かかりました。今でもスマホのインカメラで確認するようにしています。ですので地道に慣れていくのがいいと思います。
焦らない
以上3点が、僕の経験上から考えた発音をクリアにするためのポイントです。文字だとすごく長く難しそうですが、実際にやってみるとそこまで難しいことはやっていないと思います。ただ、常日頃から気を付けていないとなかなか身につかないし改善しないので続けていくのはなかなか大変かもしれません。
そして大事なことですが、焦ってはいけません。
数日でできる人もいるしできない人もいる。成長スピードはそれぞれなので、できないからと言って「自分にはできない」「自分は向いてない」「後輩に追い抜かれて焦る、、」などは考えないようにしましょう。
本当にうまくなりたいと思うのであれば、落ち着いて自分と向き合って地道に努力を続けていくことで必ずできるようになります。
今回は発音について説明しました。
音には、発音のほかに、音の鳴っている間、そして音の切り。があります。
これらも大切な要素ですので、またどこかで説明ができればいいなと思います。
だいぶ長くなりましたが最後まで読んでくださりありがとうございました。頑張ってください!
dRoiDさん、はじめまして。50過ぎのブランクトロンボーン吹きです。
返信削除娘が中学校でトロンボーン始めまして私も楽器再開しました。わたくし、以前より発音が安定せずストレス感じておりました。この記載拝見しまして改善の糸口が掴めたような気がしております。質問なのですが(Tu)の発音の時、
舌はどの辺りで舌つきしているのでしょうか?また、音の出だしではアパチュアは多少開いていた方が一般的なのでしょうか?
アドバイス宜しくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
削除Tuの発音時ですが、音域によって異なります。高音域であれば上の前歯の手前あたりですし、低音であればかなり下の歯の上部あたりまで降りてきます。
音の出だしの時点でのアパチュアの開きについてですが、音を鳴らしている時の開きと同じ状態で開いておくのがいいと思っています。閉じた状態から音を出して開くと後押しの音になってしまうと思いますので。
※アパチュアというと唇の間という解釈になるかもしれませんので訂正をしておくと、唇の間は基本は閉じているので開いておくこと自体は無理かなぁという気がします。ここでいうアパチュアの開きというのは、歯と歯の間のことをさしています。
dRoiDさん、初めまして。中2でトランペットを吹いています。先生に発音について言われたためこの記事を参考にさせて頂きました。ありがとうございます♪
返信削除いつも本番はもちろん、合奏になると緊張して発音が上手くいかないです。ましてや音が出ず「カスゥ…」みたいな状況が少し続いてしまいます。こういう時ってどうすれば良いですか?経験したことがあればその対策とかも教えてください
こんにちは。コメントありがとうございます。
削除本番で緊張する気持ちはよくわかります。
練習の段階で発音について考えているうちは本番ではなかなかうまくいかないかもしれません。
時間はかかるかもしれませんが、練習で発音について気にならなくなるくらいまで吹けるようになった頃には、本番で自由に演奏できていると思いますよ。頑張ってください!dRoiD